医師は日常診療においてさまざまな問題と直面します。鮒田式胃壁固定具もそうした問題解決を願い開発したものです。 医療分野だけでなく特許などの知的財産は、こうした問題解決の成果として誕生します。

 

しかし、開発当時の私がそうであったように、医師は知的財産に関してあまりにも勉強不足だと感じます。実際にアイディアを心ない企業により無断で特許申請された経験もあります。 確かに医療に貢献できる良いアイディアは広く公開して役立てていただくことも重要だと思います。しかし、そうした製品は企業にとって競争力のない市販化する価値のない製品だと判断されてしまうこともあります。

 

また企業は自らの製品を守るために、関連製品の特許を出願だけして市販化しないことがあります。そうなればどうにもなりません。 もし良い医療に貢献できる製品のアイディアが閃いたら、すぐに企業に話をしてしまうのではなく特許申請などに関して弁理士にご相談されてはいかがでしょうか?

 

鮒田式胃壁固定具に関しては自ら特許出願を行い権利を獲得することで、市販化と今日の普及を実現できたのだと確信しております。

 

もちろんパートナーであるクリエートメディック株式会社の力は大きく、知的財産に関しても常に誠意をもって対応していただきました。しかし、そのような会社ばかりではないことは残念ながら事実です。 私の経験に関しては鮒田式胃壁固定具の開発秘話及び月刊医科器械誌に掲載のインタビューで公開しております。ご興味のある方はぜひご笑覧ください。

 

医師もまた他人の知的財産に関しては最大限の敬意を示すべきだと考えます。その上でより良い製品や術式を開発し医療に貢献することこそが我々の使命ではないでしょうか。